第5章 : 国際的エンジニアとしてのサバイバル価値観

【ポイント】

  • 1年契約、毎年更新」スリル満点のサラリーマンへ転職
  • 「優秀なサラリーマン」の条件の価値観が180度変わる!
  • 日本人と国際人のサバイバル価値観の違い

第5章 : 国際的エンジニアとしてのサバイバル価値観

帰国してから新人と同じ仕事をしていた僕は、

いつかのように                    

「命をただすりへらしている」ような思いでした。

会社からの決まった要求(仕事)に対して

早く正確に答える・応えることが優秀なサラリーマンである。

その価値観を信じて生きてきた僕は

要求(仕事)がなくなった時に、自分の力では

何も出来ないことに気付きました。

今は仕事が無いことを景気のせいにできるけれど、

もし、「本当に仕事(会社)が無くなったらどうなるのだろう?」

中学時代と同じように

この先の時代に仕事の価値の変化によるゲームチェンジ

これが起きたときに

今のままではヤバイ!と思う様になりました。

もちろん、そうならない可能性もあります。

既にポジションが確立していた同期は

景気がもどればまた活躍できますが、

『出戻り』の僕は、居場所がありません。

そう思うと、いても立ってもいられず

転職するしかありませんでした。

しかし、リーマンショックのまっただ中では

転職先の候補は数えるほどしかなかったので、

いっそのこと、原点に立ち返って

「どうしたら楽しく働けるか?」を基準に仕事を探して、

1年契約、毎年更新」のまさにプロ野球選手みたいな契約で

働く外資系のメーカーを選んだのです。

そこでは、価値観崩壊、目からうろこの毎日でした!

それまで「会社からの決まった要求」に応えることが

サラリーマンの価値という考えでしたが、

そこでは、基本的に会社からの要求は無かったのです。

それどころか、、、

まったく逆の働きかたでした(笑)

有益だと思う情報を自分で見つけて、

そこから自分で考えて価値を生む仕事をつくりだし、

そのために必要な資源(人、物、金)の許可を会社に要求する。

働き方を求められたのです。

つまりそれまでの、

優秀なサラリーマンの条件が

会社からの決まった要求に対して、早く正確に応えることが出来る

という価値観から

自分で有益な情報を判断し、価値を生む仕事を会社に承認させる

と180度の方向転換。

本当に笑ってしまうくらい逆パターンです。

しかも、結果が出ないと『契約解除』。。。

女房、子ども(生まれたばかり)、家建てた直後

僕にとってスリル満点の日々です。

しかし、その後の僕の人生において

この国際的に働くことで得た

価値観の変化がゲームチェンジをもたらしたのです

それは、僕の生き方の軸となり、

未来の国際社会をサバイバルする子どもたちにとって

生きていくために、どんな考え方、能力が必要なのかを

気付かせてくれたのです。

ここで

ぜひ、あなたにも知っておいてもらいたい、

日本と国際人のサバイバル価値観の違い

をお伝えしたいと思います。

日本人は、勝負のルールを守り、負けから学びます。

国際人は、負けそうな時はルールを変え、負ける勝負はしません。

日本人は、問題が発生したら、素直に解決する策を考えます。

国際人は、そもそも問題なのか?解決しないと何が悪いのか?を考えます。

日本人は、自分の得意分野を「虎の巻」として、熟成する事を考えますが、

国際人は、敵の得意分野で戦わず、無効にするイノベーションを考えます。 

日本人は、関係を良好に保つ為にASAPで応えようと努力しますが、

       A.S.A.P.  ( As soon as possible : 出来るだけはやく)

国際人は、関係を壊さない限りにALAPし、自分の目的を最優先します。

       A.L.A.P.  ( As late as possible : 出来る限り遅く)

こういった日本人の特徴は

世界に誇れる日本人の美徳の

源になっているのは間違いありません。

一方で

ビジネスの世界で世界と戦っていくためには、

時として、

日本人らしさが致命的なハンデになることを実感しました。

もちろん、日本人らしさを捨てると言う意味ではなく、

「国際的な感覚、考え方の違いを知った上で、

日本人らしくするべきである」

そう強く意識するようになったのです。

しかし、その感覚・考え方は

社会人になってからでは簡単に身につくものではありません。

実際に僕もそれで毎日のように苦労しています。

だからこそ、

「自分の子どもにはこんな苦労をさせたくない」

そのためには

世界で活躍する価値観・考え方は

小さいときからの積み重ねで養っていかなければならない

と、強く思うようになったのです。

 やがて、予想通り時代は「ゲームチェンジ」を起こす

「AI黒船」の来航とともに、『待ったなし』になってきました。

新しい時代に対応できる「ニュータイプ」のエンジニアが必要となってくるです。