第1章 : 憧れのキャラクターは「ハカセ」

【この章のポイント】

  • あこがれはセンベエ博士
  • 楽しさ=自分でつくりだすもの
  • 人生を決定付ける基準の発見

第1章 : 憧れのキャラクターは「ハカセ」

「キーーーーーーーーン! んちゃーっ!」

「ほよよ?」

1980年に一世を風靡した名作「Dr.スランプ アラレちゃん」

天真爛漫な性格と、愛らしいキャラクターの

怪力ロボット女の子アラレちゃん。

人気爆発、アニメ・漫画にみんなが夢中になりました。

ところが僕は、主人公のアラレちゃんよりも、

「則巻千兵衛」そう、センベエ博士の方が大好きでした。

失敗も多いけど、

宇宙船やタイムマシンなどのすごいものを発明する頭脳や、

そのデザインセンスがユニークで、

毎回どんなメカが出てくるのを楽しみでした。

経歴の「ゲンゴロウ島立大学理工学部、大学院理工学研究科博士課程修了」というエリートチックな肩書きにもあこがれ、

「いつか自分もこんな楽しい発明をするすごい科学者になりたい!」

と思うようになりました。

今でも実家の押入れの宝物箱の中には、

小学生の頃に書いた

「発明の設計図」が何枚も残っています。

発明と言っても、

モーターと電池だけの手持ち扇風機や、

回転する消しゴムなど、

幼稚なアイデアなのですが、

材料・配線図・内部の構造説明まで、細かく書かれていて

その熱量に我ながら今でも照れてしまうほどです(笑)

子どもの頃の僕は、楽しいことをしたいと思うとき

いつも何か足りていなかった。

そして、いつも「何かで代用できないか?」

一生懸命考えて遊んでいました。

ブロックのかわりに洗濯ばさみでロボットや飛行機を作ったり、

拾ったガチャガチャのカプセルで昆虫を作ったり、

もらったエナメル線で、釣り道具セットを作ったり、

野生の木の枝をコンクリートで削って、ゴルフクラブや木刀を作ったり、

マンガが買えないので、自分で漫画を書いたりと、

僕の子ども時代は「楽しさ=自分で創り出すこと」でした。

そういった「自分でどうしたら楽しくなるかを考える」という姿勢が

その後の僕の人生を決定付ける基準になっていくのは自然なことでした。

そして、いつか僕もエジソンや、センベエ博士みたいな

偉大な発明家になれるかも?と、

ワクワクしたことをはっきりと覚えています。

40年近く前の気持ちなのに、

こうして当時のことを思い出すと、

書いていて胸が熱くなります。

こういう「原体験」ってとても大切なことですね。

この気持ちが僕の

「エンジニア」としてのスタートラインなのです。

そして、「発明家」は「なりたいだけでなれる」と信じていました。

しかし・・・

そんな僕に立ちはだかったのは、

『勉強』           

という大きな壁でした。。。