「そのためには何?」の力を養う。

こんにちは、学長の古野です。

今日は、「子どもがいきあたりばったり思考が多い」のは、【思考の箱】ができていないためで、「行動」と「習慣」に分けることで出来るようになる、という話をします。

子どもって「思考が行き当たりばったり」なんですよね。

我が子に限らず「それを、そのままにしておくと、○○になるだろうな~」と分かっていて、「ほらやっぱりそうなった!」の繰り返し(笑)

特に小学校高学年になって、分別がつき、自分で優先順位がつけられるようになるまでは、本当に目先のことしかできません。(やりません)

身近な例でいえば「学校の時間割をやってから寝れば、朝ゆっくり食事して、忘れものも無く、早く学校に行けるよ。」と言っているのに、

いつも、朝になってあわてて用意して、時には「漢字ドリル」や「音読」の宿題をやっていないことに気がついたり、

「画用紙や紙コップ」などの工作の材料が必要なことに気がついたりしているのです。

おかしいと思いませんか?毎回同じ事を言っているのに、毎回同じ事を繰り返しているのです。

そして毎回毎回、同じことで叱ってしまう私(親)に対して、「(毎回毎回うるさいなぁ)」と思っている子どもたち。

「こっちだって毎回同じ事言いたくないわ!」ってなりますよね。

 

 でも、よく考えてみてください。これって子どもだけの特徴ですか?

大人になった今でも、仕事で同じことをやっている人はいませんか?

子どもが「行き当たりばったり思考」なのは、やらなきゃいけないとわかっていても、「まずなにからすればよいのか分からないから、あとまわしにしたり、目先のことからとりかかってしまうから」なのですが、

これを「習慣の強制」で直してもらってきた人はそ、大人になってもやっぱり「習慣を強制」される仕事のやり方、つまり「指示待ち人間」になってしまっています。

 私は自動車開発の仕事をしているのですが、欧米だけでなく東南アジアの技術力の進歩を目の当たりにし、このままでは、技術大国日本だったはずが、外国からて仕事を引き受けて納品するような状況になってしまうと危惧しています。

 日本人のウリである技術力は、江戸末期から明治大正昭和と、帝国主義時代の列強各国に植民地として飲み込まれない!

「そのためには何をすればいいか?」を先見の明をもった深い思考力、洞察力をもった先人たちによって作られてきましたが、

今の日本のエンジニア達は、仮にも世界第3位のGDPの先進国として、賃金が高くなってしまっているため、私を含め技術をアジア諸外国に委託、指示だけを出している状況です。

アジアの各国は国をあげてプログラミング教育等に力を入れているので、早晩技術力は追い抜かされてしまうでしょう。

しかし、そもそも日本人は島国であるがゆえに、「ツーといえばカー」、「空気・行間を読む」、「以心伝心」などの、独特のコミュニケーション文化を発達させてきたため、口下手、命令・指示出しもきちんと出来ているとは言えないし、そもそも向いていません。


 これから日本人が世界をリードし、世界に誇れる製品を生み出していくためには、「技術力の復活」と「精神・思考の改革」の2点が必要なのです。

 技術力は企業や国の強力が必要ですが、それらが生きるのは使う人の卓越した「精神・思考」が備わっていてこそです。

そして、それこそ大人になってから鍛えようとしても「手遅れ」で

子どものころから「思考の矯正」によって頭の中に「考える箱」を育まないといけません。

つまり、

子どもの行き当たりばったり行動は「習慣の強制」ではなく、「思考の矯正」で直してあげるのです。

「思考の矯正」とは、

「最終的にはこれがしたい」ことに対して、「何が障害?」「そのためにはなに?」と、訓練によって考えるくせ、考える箱の設定が出来るようにしてあげると、 あとはただ、そこに入れるものを考えるだけになることが出来るのです。

たとえば、学校の準備で言えば、

①ゴール:早く学校に行きたい(遊びたい)

②何が障害?:朝の準備に時間がかかる

③そのためには?:宿題、持ちものを確認し、時間割をする

④そのためには?:学校から帰ったら、連絡帳を見る

こういった「行動の習慣」がつけばいいのですが、これを「親に言われてやっていては、それは習慣の強制となり「思考」は育ちません。

「でも、ほかっておいたら、いつまで経っても出来るようにならない」と思うでしょう。

その通りなんです。

じつはそれは、「行動の習慣」と「思考の習慣」を同時に子どもに身につけさせようとするからなのです。

精神構造が未熟な子どもは、どうしても目の前のことを「行き当たりばったりで考えてしまう」ので、分けて養ってあげればいいのです。

この思考の習慣「そのためには何?」の箱を頭の中に作るために、NTAでは「ラッシュアワー」というゲームを使います。

このゲームの「ワーク内での声かけ」によって、子どもに思考の箱を作るのです。

具体的には、2人1組で交互にパズルを遂行する。ひとりは相手の作業をじっと見て相手に適切なアドバイスをする。手を動かしたりこうやれと指示を出したりしてはいけない。
 駐車場の奥にある自分の車を、他の車を動かして出口に導くパズルなのだが、何も考えずに「行き当たりばったり」に動かしていくと「同じことの繰り返しになり」ハマっていってしまう。 まさに、これが日常生活で起きています。

 まずは、子どもに試行錯誤させた後に、適切なタイミングで、

「今どの車が障害になっている?」「そのためには何?」と一手一手さかのぼっていく問いかけをすることによる「思考の矯正」。

そして、子供たち自身が組んでいる相手に、そのような問いかけをちゃんとしてあげることでファシリテーション能力も身につきます。

こうして、「そのためには何?」の思考の箱を頭の中で順番に考えるトレーニングを楽しくやった後に、

日常生活で、親が言うべきなのは

「早くしなさい」や、「宿題しなさい」「時間割やったの?」ではなく、

「早く行きたかったら何をすればいい?」と問いかけてあげれば、自然に考え行動することが出来るようになるのです。

これに限らず、子ども達はいろいろなバリエーションのゲームによって、多角的な能力を伸ばすことができるのですが、

残念ながら学校の指導ではここまで丁寧に時間をかけて教えてくれません。

しかし、次世代で日本の子ども達が男女問わず、論理思考とリーダーシップをもって活躍していくには必須な教育です。

ニュータイプアカデミーではその能力を伸ばすカリキュラムを子ども達に提供しています。